変ったサイコロ問題(麻布中学 2013年) 解法例
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8つの面がすべて合同な正三角形からなる図1のような立体について考えます。
それぞれの面には、
図2のように 1から8までの数字が書かれています。
下の図3のように、この立体を面ABC が底面となるように置きます。
底面のいずれか1辺を軸として、
となり合う面が底面となるようにこの立体を動かすことを
「転がす」ということにします。
このとき、次の問に答えなさい。
(1)
図3の状態から1回目に辺AC を軸として転がし、
続けて2回目に辺CD を軸として転がしました。
その結果、最後に底面と重なる位置を、
下の図4の三角形に色をつけて示しなさい。
また、そのときの底面に書かれた数字を答えなさい。
図3の状態から4回、自由に転がします。
このとき、以下の(2)、(3)、(4)に答えなさい。
(2)
下の図5の【ア】は、最後に底面と重なる位置の1つです。
【ア】以外の、最後に底面と重なる位置の三角形を
すべて、太線で囲い示しなさい。
また、【ア】の位置に最後に重なる底面に書かれた数字として
考えられるものをすべて答えなさい。
(3)
4回自由に転がす転がし方は、全部で何通りありますか。
ただし、最後の底面の位置が同じでも、
途中の経路が違う場合は別の転がし方とします。
(4)
最後に底面となる面に書かれた数字を、
(3)のすべての転がし方について足し合わせたとき、
その和を求めなさい。
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解答
(1)
まず、三角形ABC を辺AC を軸として転がすときに底面となるのは、
辺AC を共有するもう1つの三角形の三角形ACD になります。
さらに、辺CD を軸として 三角形ACD を転がすときに底面となるのは、
辺CD を共有するもう1つの三角形の三角形CDF になり、
底面の数字は5 です。
底面の位置は、下の図6 のようになります。
(2)
4回転がして底面と重なる三角形の位置は、下の図7のようになります。
【ア】の位置にくる底面として考えられるものは、
下の図8、図9の2通りの場合があり、
底面の数字は、三角形BEF の 7、三角形ABC の 1 です。
(3)
まず、図7の三角形のうち、
最も外側の12か所について行き方を考えると、
下の図10の矢印のように、
まん中の三角形の場所へは2通り、
最も遠い場所へは1通りの行き方があることがわかり、
全部で18通り の行き方があります。
次に、内側の6か所の三角形について、行き方を考えると、
下の図11、図12、図13、図14の矢印の場合があり、
図11は、【ア】から【イ】へ 2回で移動し、
【イ】の周辺の三角形と【イ】を往復することで、
4回で【イ】の位置へ移動する方法で、3通り あります。
図12は、【ア】から【イ】へ右回りで4回かけて移動する方法で
1通り あります。
図13は、まず、【ア】と周辺の三角形を往復し、
その後【イ】へ移動する方法で、
3通り あります。
図14のように移動する方法が1通り あります。
よって、【ア】から【イ】の場所への移動方法は、
3+1+3+1=8通り
ということがわかります。
【イ】と同様な場所が6か所あるので、
8×6=48通りの行き方があることがわかります。
最後に、4回かけて【ア】の位置に移動する方法を考えると、
まず、下の図15の矢印のように、
【イ】のような、【ア】から2回で行ける三角形を往復する方法があり、
これが 6通り あります。
次に、下の図16の矢印のように、
まず、【ア】と【ウ】を往復し、
次に、【ウ】、【エ】、【オ】のどれかと往復すると、
【ア】の位置に行き着きます。
最初に【ア】と【エ】を往復しても、
【ア】と【オ】を往復しても同様になるので、
図15の方法では、3×3=9通り の行き方があることになります。
よって、【ア】の位置への転がり方は、6+9=15通り です。
以上から、18+48+15=81通り の転がし方があることが求められます。
【別解】
下の図17のように、色のついた面を底面としたときに、
次に転がる先の候補は、矢印の先の3通りがあります。
行き着いた先でも、次に転がる先の候補は、3通りで、
転がるたびに、次に転がる先の候補は3通りあります。
よって、4回転がす転がし方は、3×3×3×3=81通りと求められます。
(4)
それぞれの面を底面としたときに転がすと
どのような先に行き着くかを、下の図18に示しました。
4回目は奇数になるので、
3回目の面が偶数の2,4,6,8のとき、
4回目に底面になる面の数の和を合わせて書いてあります。
最初、底面の数は面ABC の1なので、
1回目に底面になるのは2,4,6 です。
1回目に底面が2のとき、2回目に底面になるのは1,3,5 になります。
2回目に底面が1のとき、3回目に底面になるのは、
2,4,6 で、3回目に底面が2のとき、
4回目に底面になるのは、1+3+5=9 と計算できます。
樹形図のように、サイコロの面を追うと、下の図19のようになります。
4回目の数は、底面になり得る数の和です。
これらの数を合計すると、
33×3+35×2+37×2+39×2
= 99+(35+37+39)×2
= 99+222
= 321
と求められます。
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