トラック競争の原理(筑波大学附属駒場中学 2001年)
---------------------------------------------------
----------------------------------------------------
下の図のように、半円部分と50mの直線部分でできた走路があります。この走路は、第1コースが1周200mで、第2コースが1周206mになっています。
A君、B君、C君はこの走路を、図の矢印の向きに、それぞれ一定の速さで走ります。A君が100m走る間にB君が80m走るとき、次の問に答えなさい。
(1)A君が図のアの位置から第1コースを、B君がアより前方の位置から第2コースを、同時に走り始めたとき、B君がちょうど100m走ったところでA君に追いつかれました。B君が走り始めた位置はアより何 m 前方ですか。
(2)図のアの位置から、A君は第1コースを、B君は第2コースを、同時に走り始めて何周もまわると、A君はB君を何度も追いぬきます。2度目に追いぬくのは、A君が何周目を走っているときですか。
(3)図のアの位置から、A君は第1コースを、C君は第2コースを、同時に走り始めて、A君が1周する間にC君を追いぬくことがありました。C君が100m走る間にA君が何 m 走っているか考えるとき、そのキョリとして考えられるもののうち、メートルの単位で考えて、最も小さい整数を答えなさい。
---------------------------------------------------
----------------------------------------------------
こたえ
(1)A君が100m走る間にB君が80m走るので、
A君とB君の速さの比は、5 : 4です。
B君が100m走る間にA君は125m走るので、
B君が走り始めた位置はA君が走り始めた位置アより、
125-100=25m 前方、と答えては間違いです。
下の図1のように、B君が100m走る間に、
A君は赤い部分(50m)、B君は青い部分(53m)を通ります。
B君が100m走る間に、A君は125m走りますが、
その場合、さらにコースのキョリの差である3m
余計に前に出てしまいます。
このことから、B君がアの位置から25mより、さらに3m前方、
28m 前方の位置から走り始めたことがわかります。
(2)A君が1周(200m)走る間にB君は160m走るので、
B君の1周(206m)まで46m足りません。
A君が2周すると、B君は2周目まで残り46×2=92mです。
A君が5周すると、B君は5周目まで残り46×5=230mで、
ここで、1度B君はA君に抜かれています。(206mより多いので)
A君が10周すると、B君は10周目まで460mで、2周分より多く、
A君が9周すると、B君は9周目まで414mで、2周分よりまだ多く、
A君が8周すると、B君は8周目まで368mで、
2周差になりません。
よって、9周目のとちゅうにA君はB君を抜くことがわかります。
(3)まず、A君はC君より速いのでしょうか?おそいのでしょうか?
A君がC君より速かったら、A君の方がC君より走るキョリは短く、
常に前に行くこととなり、1周目にC君を抜くということはないです。
(抜くとしたら2周目以降)
1周目に抜くということは、A君はC君よりおそい、けれど、
カーブの部分でC君を抜いてしまう、
という絶妙な速度ということになります。
つまり、A君が80m走る間にC君は83m走れば、
下の図2のイでは、C君が先にいて、
ウではちょうど追いつくことになります。
このとき、C君が100m走る間に、A君は
80÷83 ×100=96.3・・・(m)走るので、
追い抜ける最も小さい整数は、97(m)となります。
また、図2のオの地点で追いつくことを考えると、
A君が180m走る間に、C君は186m走ることになり、
C君が100m走る間にA君は、
180÷186 ×100=96.7・・・(m)走ればよく、
A君は97(m)で走れば追いぬくことができます。
以上より、こたえは 97 です。
----------------------------------------------------
----------------------------------------------------
↓こちらファミリーページにもどうぞ!